全国の社内報担当者約370人が集結、「社内報アワード2026」で考える組織を動かすICの力

社内報は、会社から社員へ情報を届けるためだけのものでしょうか。働き方や価値観が多様化するなか、組織の方針を共有し、社員同士の対話や行動を生み出すインターナルコミュニケーション(IC)の重要性が高まっています。一方で、読まれる企画のつくり方や施策の効果を測る方法に悩む担当者も少なくありません。

こうした社内報・ICの実践例を共有し、担当者同士が学び合う「社内報アワード2026」表彰・交流イベントが、2026年10月9日に渋谷ヒカリエで開催されました。会場には全国各地から約370人が集まり、受賞企業をたたえる表彰式のほか、トークセッションやワークショップを通じて、これからのICのあり方を考えました。

社内報アワード2026の開場時に交流する社内報・IC担当者
開場時の様子
社内報アワード2026で行われた参加者同士のアイスブレイク
アイスブレイクの様子
社内報アワード2026の紙社内報部門で表彰される受賞企業
表彰式の様子
社内報アワード2026で行われたトークセッション
トークセッションの様子

253社568企画から選ばれた6社のグランプリ

「社内報アワード」は、全国の企業・団体による社内報やICの取り組みを評価するコンクールです。25回目となる今回は、253社から568企画が寄せられました。

表彰式では、各部門のグランプリおよびゴールド賞を受賞した企業が登壇。部門の頂点となるグランプリに選ばれた6社には、ステージ上でトロフィーが贈られました。

グランプリ企業へのインタビューでは、受賞作品が生まれた背景や、企画設計に込めた思いも紹介されました。完成した社内報だけを見るのではなく、その裏側にある課題意識や制作過程まで共有されたことで、参加者が自社の取り組みを振り返る機会にもなったようです。

社内報アワード2026で行われた表彰式
表彰式の様子

AI時代に問われる「伝えた先」のコミュニケーション

開会にあたり、主催するウィズワークス株式会社の代表取締役社長・髙橋大輔さんが登壇しました。

社内報アワード2026で開会の挨拶をするウィズワークス代表取締役社長の髙橋大輔氏
開会の挨拶を行う、ウィズワークス株式会社 代表取締役社長 髙橋 大輔 氏

髙橋さんは、近日発行予定の「IC白書2026」の調査結果に触れ、ICを単なる情報伝達から、経営に役立つ活動へ変えようとする企業の動きが見られると説明しました。一方、実際の施策や効果測定では、「どれだけ読まれたか」「どれだけ届けたか」という情報発信側の視点が、今も中心になっているといいます。

AIによって文章作成や情報発信の効率化が進むほど、人と人の対話をどう生み出し、行動につなげるかが重要になります。今回掲げられた「進もう、ICの力で。伝えるを超えてソシキを動かす」というテーマにも、情報を発信して終わるのではなく、組織の変化につながるICを考える姿勢が表れています。

新設の「審査員特別賞」が照らす企画の力

今回は新たに「審査員特別賞」が設けられ、16社17企画が選出されました。制作者の強い思いや発信力が感じられる作品、自由な発想で前例のない挑戦に取り組んだ作品など、審査員が独自性や今後の可能性を評価した企画が対象です。

審査員によるトークセッションには、長年にわたり同アワードの審査を務める4人が登壇しました。「人の心を動かす企画」をテーマに、審査員特別賞の作品を振り返りながら、社員の関心や行動につながるIC施策に必要な視点を語りました。

人の心を動かす企画をテーマにした審査員トークセッションと会場
トークセッションの様子

数値だけでは捉えにくい、制作者の熱意や新しい挑戦にも光を当てる賞が加わったことで、社内報の評価軸に新たな広がりが生まれています。

学びを「明日からの一歩」へ変える交流の時間

イベントでは、参加者同士が意見を交わすワークショップも行われました。テーマは「自社では何ができる? 明日から始められる施策を考える」です。

参加者は、表彰式やトークセッションで得た気づきを振り返り、自社の社員の心を動かすために何ができるのかを検討。互いのアイデアを共有しながら、すぐに実践できる小さな行動へ落とし込んでいきました。全プログラムの終了後には懇親会も設けられ、企業や業界の枠を越えた交流が続きました。

社内報から始まる、組織の対話づくり

2002年に「全国社内報企画コンペティション」として始まった社内報アワードは、受賞作品を評価するだけでなく、担当者が経験や課題を持ち寄る交流の場へと発展してきました。今回の開催で印象的なのは、社内報を「情報を届ける媒体」だけでなく、社員の気持ちや行動に働きかける接点として捉えていることです。

AIが発信作業を支える時代だからこそ、誰に何を伝えるのか、その情報を対話や行動へどうつなげるのかが、これまで以上に問われそうです。華やかな受賞企画だけでなく、各社へ持ち帰れる「明日からの一歩」を考える時間が用意されていた点にも、このイベントらしさが感じられます。社内報づくりで生まれた小さな工夫や対話が、組織の風通しを少しずつ変えるきっかけになるのかもしれません。

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