
人手不足が続く現場では、採用だけでなく、いまある業務の進め方を見直す動きも広がっています。特に、書類確認や転記、問い合わせ対応のような定型業務は、担当者の時間を大きく使う一方で、専門性の高い判断や顧客対応の時間を圧迫しやすい領域です。
「ITに詳しい人がいない」「AIツールを入れても現場で使い切れない」「効果が見えず予算化しにくい」。こうした悩みを抱える企業に向けて、株式会社Seirai Technologiesは、ノーコードAIエージェント構築プラットフォーム「WellSkate AI(ウェルスケートAI)」の提供を開始しました。
専門知識なしで“もう一人の社員”をつくる仕組み

「WellSkate AI」は、プログラミングや専門知識がなくても、自社の業務に合わせたAIエージェントを構築・活用・共有できるノーコードプラットフォームです。最短10分で自社専用のAIエージェントを作成できる点が特徴とされています。
画面の案内に沿って業務を選び、必要な設定を行うことで、受信、仕分け、入力、確認といった一連の作業をAIエージェントが担う内容です。複数のエージェントが連携し、チームのように動く仕組みも紹介されています。
また、成果の出たエージェントはワンクリックで社内共有できるため、個人の工夫を部署や会社全体へ広げやすくなります。学ぶ、使う、共有する、改善するという流れを一つの場所で進められる点も、AI活用を社内に根づかせるうえで意識されています。
書類業務や転記作業の負担を軽くする使い方
想定されている利用領域は、会計事務所、医療・ヘルスケア、製造業、BPOなど、書類業務や定型作業の比重が大きい現場です。月末の請求書処理、報告書作成、複数チャネルから届く問い合わせ対応など、日々の小さな作業が積み重なりやすい業務が対象になります。

たとえば会計・経理部門では、顧客から届いた請求書メールをAIエージェントが検知し、金額や日付、取引先などの情報を抽出します。その後、会計アプリと連携し、仕訳や記帳まで自動化する流れが示されています。担当者は入力作業に追われるのではなく、内容を確認する役割に移ることができます。

全部門向けの使い方としては、メール、チャット、電話、問い合わせフォームなどに分散した連絡を一つに集約し、CRMへ顧客ごとに整理する活用例も紹介されています。対応漏れや転記ミスを減らし、チーム内で情報を共有しやすくする狙いがあります。
作業時間削減と経営判断の可視化にも注目

導入企業では、対象業務の作業時間を40〜60%削減した事例があるとされています。さらに、定型業務から解放された従業員が新規顧客対応に時間を使えるようになり、現場全体の処理効率が約30〜40%向上した例も紹介されています。
単に作業を早くするだけでなく、どの業務にムダが多いのか、どこに人手を集中すべきかを自然言語でAIに尋ねられる点も特徴です。経営者や管理者にとっては、現場の状況を把握し、改善すべきポイントを見つける手がかりになります。
採用には、求人広告費や人材紹介手数料、教育コスト、定着リスクなどが伴います。すべての課題をAIで置き換えるわけではありませんが、まず業務の一部を自動化できるかを見極めることは、人員配置を考えるうえで現実的な選択肢になりそうです。
現場で使い続けるための伴走支援

AIツールは導入して終わりではなく、現場で使われ続けることが重要です。「WellSkate AI」では、導入ゼロ知識の段階から専任チームが伴走することも示されています。何から始めればよいか分からない企業にとって、初期設定や活用方法を相談できる点は安心材料になります。

創業者のラカン ベンワル氏は、AIは一部の大企業や技術者だけのものではなく、人手が足りず多くの業務を抱える現場にこそ必要なものだとコメントしています。難しい技術を特別なものとして見せるのではなく、専門知識のない人でも自分の手でAIエージェントを生み出せる世界を目指す考えです。
利用企業の声として、IT担当がいない会計事務所でも短時間で動くものを作れたことや、請求書処理がほぼ確認のみになり月末の残業がなくなったことなども紹介されています。
サービス詳細 URL:https://wellskate.seirai-tech.co.jp/
小さな業務の見直しから始まるAI活用
「WellSkate AI」の発表から見えてくるのは、AI活用が大がかりなシステム導入だけではなく、日々の作業を一つずつ軽くする取り組みとして広がりつつあることです。人手不足の中で、採用か効率化かを単純に分けるのではなく、どの業務を人が担い、どの部分をAIに任せるのかを考える視点が求められています。書類確認や転記のような身近な業務から見直せる点は、多くの企業にとって入り口になりやすいかもしれません。現場の負担を減らし、人がより大切な仕事に向き合うための選択肢として、今後の活用例も気になるところです。

