社内ビジコンを支える事務局に光 フィラメント「ビジコンAWARDS 2026」開催

新規事業を生み出す取り組みは、アイデアを出す社員や採択された事業案に注目が集まりがちです。一方で、その手前には制度を設計し、応募者を支え、社内の関係者をつなぎながら運営を続ける事務局の存在があります。ビジネスコンテストが人材育成や組織変革の仕組みとして広がるほど、そうした裏側の工夫にも目を向ける必要が高まっているといえそうです。
大企業向けの新規事業支援を行う株式会社フィラメントは、2026年6月10日、企業内の新規事業提案制度を支える事務局の取り組みを表彰する「ビジコンAWARDS 2026」を開催しました。2025年に続く2回目の開催で、今年は70社を超える企業から158名のビジコン事務局担当者が集まりました。

70社超が集まった事務局同士の学びの場

「ビジコンAWARDS 2026」では、制度設計や応募者支援、事業化支援などをテーマに、企業や業界の枠を越えた議論が行われました。社内ビジコンは、企業ごとに目的や規模、運営年数が異なるため、ひとつの正解を見つけにくい領域です。

だからこそ、各社が試行錯誤しながら積み上げてきた知見を共有することには意味があります。事務局の取り組みを表彰するだけでなく、個社に閉じがちな運営ノウハウを業界全体の資産として扱おうとする点が、このアワードの特徴といえます。

24社の応募から6社が最終審査に登壇

本年度は24社がエントリーし、書類選考を通過した6社が最終審査会に登壇しました。最終ノミネート企業には、カシオ計算機株式会社「IBP(Idea Booster Program)」、株式会社JTB「JUMP」、大東建託株式会社「HIRAKU」、千代田化工建設株式会社「F1 PROJECT」、本田技研工業株式会社「IGNITION」、ロート製薬株式会社「明日ニハ」が並びました。

いずれも、社内から新しい事業の芽を見つけ、育てていくための仕組みを持つ取り組みです。登壇企業の顔ぶれからは、社内ビジコンが特定の業界だけでなく、幅広い企業にとって重要なテーマになっていることが見えてきます。

最優秀賞はJTBの「JUMP」に決定

審査の結果、最優秀賞には株式会社JTBの「JUMP」が選ばれました。「JUMP」は、JTBグループ全体のイノベーション創発プログラム「nextender」の中に位置づけられた、全グループ社員を対象とするアイデアコンテストです。

「nextender」では、挑戦の機会を提供する「CHALLENGE」と、イノベーションに関する学びやつながりの場である「KNOWLEDGE」が連動しています。事業アイデアの価値向上や事業化への支援に加え、グループ全体のイノベーション文化や挑戦する風土づくりにつながっている点が評価されました。

審査員からは、JTBの取り組みについて、イノベーション経営を実践しようとする姿勢や、自社の人材を生かす仕組みが際立っていたという趣旨のコメントが寄せられています。

事例共有や調査へ広がる今後の展開

主催者であるフィラメントの代表取締役CEO、角勝さんは、2年目となる今回はエントリー企業も観覧企業も大きく増え、共有される知見の幅や質も豊かになったとコメントしています。同じ悩みを持つ企業同士がつながり、日本全体の「イノベーションを生む力」を高める機会になっているという見方も示されました。

今後、ビジコンAWARDSは毎年開催するアワードとして継続しながら、交流会や調査活動、事例共有、情報発信にも取り組む予定です。また、エントリーシートや参加事務局へのアンケート、審査会でのプレゼンテーション内容をもとに、制度設計や運営上の特徴、各社の工夫や課題を分析した「ビジコンAWARDSレポート」を2026年秋に発行する予定です。

“支える人”の工夫が見えることで生まれる次の一歩

社内ビジコンは、華やかなアイデアや新規事業の成果だけで成り立つものではありません。応募者が挑戦しやすい環境を整え、社内の理解を得ながら制度を育てていく事務局の積み重ねがあって、初めて継続的な仕組みになります。今回のアワードは、そうした見えにくい仕事に光を当てた点が印象的です。各社の実践知が共有されることで、ビジコンを単発のイベントではなく、組織の学びや人材育成につなげる動きが少しずつ広がっていくのかもしれません。

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