AI自動分別「Bin-e」がローソン付近に登場、電池内蔵製品の回収で資源循環を後押し
ローソン高輪ゲートウェイシティ店付近のスペースに設置されたAI自動分別リサイクルボックス「Bin-e」

スマートフォンやモバイルバッテリーは、外出先でも仕事や暮らしを支えてくれる身近な道具です。一方で、使わなくなったときに「どこへ持っていけばよいのか分からない」「普通のごみとして出してよいのか迷う」と感じる人も少なくありません。リチウムイオン電池を内蔵した製品は、誤った方法で廃棄すると、ごみ収集車や処理施設での発火事故につながる可能性があります。

さらに、電池にはリチウムやコバルト、ニッケルなどの資源が含まれているため、安全に回収するだけでなく、再び資源として生かす仕組みも大切です。こうした中、株式会社フォーステックは、AI自動分別リサイクルボックス「Bin-e(ビンイー)」が、KDDI株式会社や株式会社ローソンなどによるリチウムイオン電池内蔵製品の回収事業に採用されたと発表しました。2026年9月1日から11月30日まで、ローソン高輪ゲートウェイシティ店付近に設置されます。

身近な場所から始まる電池内蔵製品の回収

今回の回収場所は、THE LINKPILLAR 1 NORTHの6階にある、ローソン高輪ゲートウェイシティ店付近のスペースです。使用済みの携帯電話・スマートフォン、モバイルバッテリー、加熱式たばこ・電子たばこを受け付けます。

回収できるのは、膨張や破損が見られない製品です。リチウムイオン電池は外見から状態を判断しにくい場合もあるため、投入前に本体を確認することが欠かせません。異常が見られるものについては、自治体やメーカーなどが案内する方法を確認する必要があります。

日常的に利用されるコンビニエンスストアの近くに回収場所を設けることで、買い物や通勤などの機会に立ち寄りやすくなります。生活者との身近な接点を活用した回収モデルが、どの程度利用されるのかを確かめる取り組みでもあります。

ローソン高輪ゲートウェイシティ店付近のスペースに設置されたAI自動分別リサイクルボックス「Bin-e」

AI画像認識と画面案内で迷いにくい分別へ

「Bin-e」は、ポーランドのBine社が開発・製造し、フォーステックが日本の正規代理店として展開しているAI自動分別リサイクルボックスです。投入された物をAI画像認識によって判別し、95%以上の精度で自動分別すると紹介されています。

本体に搭載された50インチのデジタルサイネージには、回収対象となる品目や投入方法などが表示されます。一般的な回収箱では、表示を見ても対象品かどうか迷うことがありますが、画面による案内と自動分別を組み合わせることで、利用者が投入しやすい環境を整えています。

さらに、内部センサーと通信機能を備え、ボックス内の蓄積状況や回収状況を専用ダッシュボードで確認できます。管理者が離れた場所から状態を把握できるため、回収のタイミングを判断しやすくなり、巡回や管理にかかる負担の軽減にもつながります。集まった資源物に関するデータを蓄積し、その後の運用へ活用できる点も特徴です。

AI自動分別リサイクルボックス「Bin-e」機能概要

消火フィルムを加えた安全面への配慮

リチウムイオン電池を内蔵した製品の回収では、分別のしやすさに加えて安全性も重要です。今回、フォーステックは回収用の内箱にTOPPAN株式会社製の消火フィルムを貼り付ける対応を行いました。

この消火フィルムは「Bin-e」に通常備わっているものではなく、リチウムイオン電池の回収に合わせて追加されたものです。回収条件を膨張や破損のない製品に限定したうえで、設備側にも安全への備えを加えています。

回収後の製品は、複数のパートナー企業を通じて収集・運搬され、リサイクルされます。KDDIが事業の実施や周知、携帯電話・スマートフォンの回収とリサイクルを担い、ローソンは「Bin-e」による取り組みを周知します。設置場所は株式会社JR東日本ビルディングが提供します。

また、JX金属サーキュラーソリューションズ株式会社がモバイルバッテリーや加熱式たばこの収集・運搬・リサイクルを担当し、フューチャー・エコロジー株式会社が携帯電話の収集・運搬・リサイクルを担います。フォーステックは「Bin-e」の提供と運用を支援し、企業ごとの役割をつないだ回収体制となっています。

東京都庁からコンビニ付近へ広がる国内2例目

「Bin-e」を使ったリチウムイオン電池内蔵製品の回収は、今回が国内2例目です。国内で初めて設置されたのは、東京都が2026年6月から実施している「東京鉱山から資源を掘り起こし~都庁舎リチウムイオン電池回収キャンペーン~」の会場でした。

東京都庁第一本庁舎では、当時の名称である「Weecle technology by Bin-e」として、同年6月26日に運用を開始しました。その後、9月から名称を「Bin-e」へ変更しています。

行政施設に続く設置先がコンビニエンスストア付近になったことで、回収の場はより日常生活に近い場所へ移ります。今回の運用で知見や実績を蓄積し、今後は実施地域の拡大も検討される予定です。回収しやすい入口を増やすことが、発火事故の防止だけでなく、重要鉱物を循環させる仕組みづくりにもつながります。

捨て方に迷わない「回収の入口」づくり

使い終えた小型機器を資源として循環させるには、処理技術だけでなく、生活者が迷わず持ち込める場所と分かりやすい案内が必要です。「Bin-e」は、AIによる自動分別、画面での利用案内、蓄積量の遠隔確認を組み合わせ、回収する人と管理する人の双方を支える設備となっています。

今回の取り組みで印象的なのは、行政施設で始まった回収方法を、コンビニエンスストア付近という暮らしに近い場所へ移した点です。回収対象や安全条件を事前に確認する必要はありますが、普段の行動範囲に持ち込み先があれば、不要な端末や電池を手元に置いたままにする状況も減らせるかもしれません。まずは3カ月間の運用を通じて、身近な回収拠点としてどのような利用につながるのか、今後の展開が気になるところです。

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