AI・DXで函館の未来を考える、道南の学生10人が地域課題解決へ3つのビジネスプランを発表

地域が抱える課題にデジタル技術をどう生かすのか。その答えを考えるには、AIやDXの知識だけでなく、現場の状況を知り、誰のどのような困りごとを解決するのかを見つめる視点が欠かせません。特に、地域のこれからを担う若い世代が身近な課題に向き合う機会は、技術を学ぶだけにとどまらない経験になります。

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(DIT)は、株式会社AIハヤブサの協力のもと、実践型インターンシップ「ITで函館の未来を切り拓け」を実施しました。2026年8月31日から9月11日まで、道南地域の学生10人がDXやAIを学び、その知識を函館の地域課題解決につなげるビジネスプランづくりに取り組みました。

技術導入の前に「現場の課題」を考えるDX体験

インターンシップで用意されたプログラムは、「DXコンサルティング」「AI画像解析プログラムの開発」「函館の地域課題解決に向けたビジネス企画」の3つです。

DXコンサルティングでは、学生がDXの基礎を学んだうえで、企業などが抱える業務上の課題を題材に、効率化へつながる解決策を検討しました。単に新しい技術を取り入れるのではなく、現場で何が問題になっているのかを捉え、その課題に合った活用方法を考えるプロセスが重視されています。

DXを目的ではなく手段として捉えることで、技術と実際の仕事を結びつける視点を養う機会となりました。

左:DXコンサルティングでのグループワーク 右:AI画像解析の様子

「塩辛の異物検査」から学ぶAI画像解析の仕組み

AI画像解析プログラムの開発では、AIハヤブサの協力を受けながら、塩辛にプラスチック片などの異物が混入していないかを画像から確認するプログラムづくりに挑戦しました。

学生はAIに画像を認識させるためのプログラミングを体験し、画像解析がどのような仕組みで行われるのかを学びました。函館にとって身近な食品を題材にしたことで、AIが食品の検査業務にどう役立つのかを具体的に考えられる内容となっています。

学んだ技術を実際の産業や業務に当てはめて考える経験は、その後のビジネス企画にもつながりました。

学生の視点から生まれた函館の3つの未来像

成果発表会の様子

最終日の9月11日には、函館市地域交流まちづくりセンターで成果発表会が行われました。学生は3チームに分かれ、それぞれ異なる角度から函館の課題を捉え、ITを活用した解決策を発表しました。

「ゆるパーク」チームが提案したのは、最先端のIT技術を学べるテーマパークをつくり、函館に新たな娯楽と雇用を生み出すプランです。

「ロケットランチャー」チームは、函館で働きたい学生と地域企業をつなぐWebアプリケーションを企画しました。学生と企業の接点を増やし、若者の地域外への流出を減らすことを目指しています。

「マリンテック」チームは、函館を代表する産業の一つである水産業に着目しました。水産業に強いIT人材を育てることで、業務の効率化と若い世代が参加したくなる新しい産業の仕組みづくりを提案しています。

地域の課題を自分たちの学びに変える実践の場

DITは2023年11月に函館分室、2025年1月には北斗市に「北斗AIサテライト」を開設し、道南地域でのIT人材育成や地域DXに取り組んでいます。これまでも、農業や新函館北斗駅周辺の魅力向上などをテーマに、学生がAIやDXを通じて地域課題を考えるインターンシップを実施してきました。

今回の取り組みで印象的なのは、DXの基礎、AIプログラムの開発、ビジネス企画という一連の流れを学生が体験したことです。知識を学ぶだけで終わらず、地域の課題を調べ、技術をどう使えば改善につながるのかを考え、自分たちの言葉で提案するところまで進んでいます。地域の未来に対して、若い世代が具体的なアイデアを示す機会にもなりました。テーマパーク、学生と企業のマッチング、水産業のIT人材育成と、提案の形はそれぞれ異なりますが、いずれも函館の特徴や課題を出発点としています。こうした実践の積み重ねは、デジタル技術を地域の暮らしや仕事に近づけるとともに、学生が地元で学び、働く可能性を考えるきっかけにもなりそうです。

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