ペットボトルキャップ約15億6,000万個が支援に ワクチンと環境保護をつなぐ循環

ペットボトルを飲み終えたあと、キャップを外して分別する。日常の中では小さな行動に見えますが、その積み重ねが国際支援や環境保護につながる取り組みとして、各地で広がっています。学校や職場、スーパーの回収ボックスなどで、ペットボトルキャップを集めた経験がある人も少なくないかもしれません。

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)は、ペットボトルキャップ回収リサイクルを通じた子どもワクチン支援の状況を公表しました。2025年に集まったキャップは約15億6,000万個にのぼり、前年より約6,000万個増加。ポリオワクチン換算で約156万人分の支援につながっています。

約15億6,000万個という支援の積み重ね

JCVはUNICEFと協力し、途上国の子どもたちにポリオやはしかなどのワクチンを届ける活動を行っている団体です。支援方法は寄付だけでなく、ペットボトルキャップの回収リサイクルという身近な参加方法にも広がっています。

2025年に子どもワクチン支援のために集まったペットボトルキャップは、前年より約6,000万個増え、年間で約15億6,000万個となりました。ポリオワクチンに換算すると、約156万人分の支援にあたります。数字の大きさからも、家庭や学校、企業、地域の拠点で続けられてきた小さな協力が、大きな支援の流れになっていることが見えてきます。

回収から再生素材へ続く循環の仕組み

ペットボトルキャップ回収による支援は、日常の中で取り組みやすいSDGs活動として紹介されています。参加方法は、キャップを集め、JCVと連携する回収・リサイクル業者やスーパーマーケットなどの回収拠点に引き渡すというものです。子どもから高齢者まで参加しやすい点も、活動が広がる理由のひとつといえそうです。

集められたキャップは、リサイクル業者によってプラスチックの再生素材である「ペレット」に加工され、さまざまなメーカーへ販売されます。その売却益のうち、集まったキャップの重量に応じた金額がJCVに寄付され、子どもワクチン支援に活用される仕組みです。

現在、JCVと提携してキャップを引き取る回収リサイクル業者は、41都道府県で91社110拠点に広がっています。さらに、スーパーマーケットや社会福祉協議会など、回収BOXを設置して地域の回収拠点となる企業・団体も増えているとされています。

リサイクル製品として日常に戻るキャップ

ペットボトルキャップは、支援につながるだけでなく、リサイクル製品として再び暮らしの中に戻ってくる点も特徴です。SDGsを重視する社会の流れもあり、キャップを再生した素材は、洗剤・柔軟剤ボトル、プランター、スポーツの応援メガホンなど、身近な製品に活用されています。

なかでも、2023年にグッドデザイン賞を受賞した買い物カゴ「ボトルキャップバスケット」は、全国のスーパーマーケットやホームセンターで使われるようになりました。普段の買い物の場面で目にする道具にも、回収されたキャップが生かされていることになります。

さらに、キャップから作られたボードを利用した椅子やテーブル、リサイクルボックスといった製品も生まれています。回収して終わりではなく、形を変えて新しい製品になる流れが見えることで、リサイクルの意味をより実感しやすくなるかもしれません。

「ボトルキャップバスケット」のご紹介動画

ワクチン支援が守る子どもたちの命

JCVが取り組む「子どもワクチン支援」は、途上国の子どもたちにワクチンを届け、感染症から命と未来を守る活動です。ポリオ、はしか、破傷風などの感染症は、ワクチン接種によって防げる病気でありながら、今も多くの子どもたちにとって日常的な脅威となっています。

JCVは、ワクチン接種をすれば防げるはずの病気で、20秒に1人、1日4,000人の子どもが命を落としていると説明しています。感染症ワクチンの多くは、安いもので1人分20円ほどとされており、小さな支援が具体的な命の支えにつながることも、この活動の大きな特徴です。

1994年の創設以来、JCVはUNICEFや各国の保健省と協力し、約1億4,000万人の子どもたちにワクチンを届けてきました。2025年には、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの4カ国の子どもたちに、約1億1,775万円分のワクチンや関連機器を贈ったと紹介されています。

小さな分別から生まれる次の支援

ペットボトルキャップ回収の取り組みは、特別な準備をしなくても参加できる身近さと、ワクチン支援と環境保護の両方につながる分かりやすさが印象的です。キャップを外して集めるという小さな行動が、再生素材として製品に生まれ変わり、さらに子どもたちの命を守る支援にもつながっていきます。数字で見ると活動の広がりは大きなものですが、出発点は一人ひとりの日常にあります。身近な回収ボックスを見つけたとき、いつもの分別を少し意識することが、無理のない社会貢献の一歩になるのかもしれません。

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