経営者が「社外」で学ぶ意味とは 1,134名が参加した目標達成講座が示す変化

経営環境の変化が速くなる中で、経営者やリーダー層に求められる学びも変わりつつあります。自社内の研修だけでなく、業種や地域を越えた人たちと出会い、互いの経験から学ぶ場は、視野を広げる機会として存在感を増しています。特に、意思決定を担う立場の人ほど、日常の延長では得にくい刺激や問い直しが必要になるのかもしれません。

人材教育コンサルティングを展開するアチーブメント株式会社は、2026年6月10日から12日までの3日間、一般財団法人日本プロスピーカー協会(JPSA)の会員限定で『頂点への道』講座アチーブメントテクノロジーコースを開催しました。過去最大となる1,134名が受講し、東京・大阪・名古屋・福岡の全国4都市でのパブリックビューイングとオンラインを組み合わせた形式で行われました。

米国と日本で異なるエグゼクティブ教育の現在地

今回の講座には、経営者や業界で成果を上げるビジネスパーソンなど、リーダー層と呼ばれる人たちが多く参加しました。背景として紹介されているのが、エグゼクティブ教育をめぐる日米の市場構造の違いです。

米国では、経営者や指導者層が個人の投資として社外のプログラムに参加し、ほかのリーダーと学び合う文化が広がっています。2026年時点で、北米のエグゼクティブ教育市場は約220億ドル、円換算で約3.3兆円に達し、世界市場の約41%を占めるとされています。一方、日本の市場規模は約12億ドル、約1,800億円にとどまるとされ、これまでは企業主導のインハウス研修が中心でした。

ただ、近年はリスキリングや学び直しへの関心も高まり、個人が自発的に能力開発へ向かう動きも見られます。今回のように、多くの経営者・指導者層が現場を離れて3日間の学びに参加したことは、社外で学ぶ価値が少しずつ意識されていることを示しているようです。

目標達成を体系的に学ぶ3日間の公開講座

『頂点への道』講座アチーブメントテクノロジーコースは、選択理論心理学やナポレオン・ヒルの『THINK AND GROW RICH』を土台に、目標達成の技術を体系的に学ぶプログラムです。3日間を通して、人生の目的や理念を明確にし、それに沿った行動計画や目標設定まで行う内容となっています。

受講生には、全国各地の地域や業界をリードする企業経営者やマネジャー層が多く含まれていました。また、受講生の4人に1人はプロ講師の認定資格を持つ人だったと紹介されています。学ぶ側でありながら、日頃は選択理論心理学や目標達成の技術を伝える立場でもある人たちが参加していた点も特徴です。

講義で知識を得るだけでなく、異なる業界や地域の参加者が経験や考えを共有することで、新たな視点や協働のきっかけが生まれる場にもなっていました。

高い満足度に表れた学びの手応え

講座直後に実施された受講生アンケートでは、満足度の高さも示されています。講義内容の満足度は8点満点中7.84点で、「大変満足」と答えた人は88.7%でした。知人への推奨度は10点満点中9.48点で、「絶対に勧めたい」とする回答が77.7%にのぼっています。

さらに、今後の再受講希望については94.9%が「1年以内に再受講したい」と回答しました。単発の学習機会として終わるのではなく、継続的に自分のあり方や行動を見直す場として受け止められていることがうかがえます。

参加者からは、実績を出している人の実践方法や課題への取り組みを聞けたこと、視座を高めるだけでなく日々の実践に落とし込めたことなどへの声が寄せられました。経験を持つ参加者同士が学び合う構造が、理解を深める支えになっていたようです。

一方向ではなく共有から深める学びの仕組み

この講座の特徴として、一方向型の講義にとどまらない共同学習の仕組みも挙げられます。1テーブルあたり4〜6名の少人数で学びを共有する時間が設けられたほか、実践によって成果を上げた受講生が自身の体験を伝える「壇上シェア」も行われました。

経営者やリーダー層にとって、学んだ内容を自分の事業や組織、日々の意思決定にどう結びつけるかは大きなテーマです。率直な意見交換や実体験の共有があることで、抽象的な知識が自分ごととして受け止めやすくなります。

全国4拠点とオンラインをつないだハイブリッド形式も、地域を越えた学びの場づくりにつながりました。忙しいリーダー層が参加しやすい形を取りながら、社外の人と同じ時間を共有できる点は、今後の研修や教育機会を考えるうえでも参考になりそうです。

社外で学ぶ時間がリーダーに残すもの

今回の講座から見えてくるのは、経営者教育が単に知識を増やす場ではなく、自分の目的や理念を見つめ直し、行動に落とし込む時間として捉えられていることです。異なる地域や業界のリーダーが集まり、互いの経験を聞き合うことで、日常の中では気づきにくい視点が生まれます。日本ではまだ社外型のエグゼクティブ教育市場は大きくありませんが、自発的に学ぶ人たちの動きは少しずつ広がっているようです。組織を率いる立場だからこそ、外に出て学び直す時間の価値が、これからさらに意識されていくのかもしれません。

おすすめの記事