歩くだけで現場を360度記録 建設DXを支えるTwinMakerが1周年でさらに進化

建設現場では、日々さまざまな確認作業が発生します。進捗の記録、施工状況の共有、関係者とのやり取り、是正箇所の確認など、現場を動かすうえで欠かせない業務は少なくありません。その一方で、「写真を撮るために何度も立ち止まる」「後からどこを撮ったのかわからなくなる」「共有した内容が別のツールに分散してしまう」といった小さな手間が積み重なっている現場もあるのではないでしょうか。
そうした現場の記録業務を、もっとシンプルにできないか——そんな発想から生まれたのが、360度記録・管理クラウド「TwinMaker(ツインメーカー)」です。360度カメラを活用し、歩きながら現場を記録できるこのサービスが、提供開始から1周年を迎えました。
このタイミングで機能アップデートも行われ、現場の状況を残すだけでなく、是正指示や関係者とのやり取りまでひとつのツール上で進められるようになっています。日々の現場業務を少しでもスムーズにしたい人にとって、気になるサービスのひとつかもしれません。

歩くだけで現場を記録できる「TwinMaker」とは

TwinMakerは、市販の360度カメラ(RICOH THETAやInsta360など)を使い、現場を歩きながら動画撮影するだけで、図面上の歩行軌跡と連動したバーチャルツアーを自動生成できるクラウドサービスです。
現場をまるごと記録できるため、その場に行かなくても事務所から現場の状況を確認しやすくなるのが特徴です。進捗確認や情報共有のために何度も現地へ足を運ぶ負担を減らしながら、必要な情報を視覚的に把握しやすい仕組みになっています。

TwinMakerの大きな特徴のひとつが、専用アプリを必要とせず、ブラウザからURLを共有するだけで関係者が360度の現場情報を確認できる手軽さです。
従来のように、必要な場所ごとに立ち止まって写真を撮影する方法では、撮り忘れや確認漏れが起きてしまうこともあります。その点、TwinMakerでは自己位置推定技術(Visual SLAM)を活用し、動画から高密度な確認ポイントを自動生成。歩きながら記録するだけで、より抜け漏れの少ない現場管理につなげやすくなっています。
現場にいる人も、離れた場所で確認する人も、同じ情報をスムーズに共有しやすいのは便利なポイントです。

1年間で積み上げた導入実績と効率化の成果

TwinMakerは、この1年で360度写真換算約34万枚分のデータを蓄積してきました。これを手作業で対応した場合、約8,500時間の工数に相当します。稼働日数に換算すると約1,060日分、およそ3年分の作業量です。
管理効率は従来比で約90倍という実績もあり、日々の現場記録や確認業務の負担軽減につながっていることがうかがえます。
一つひとつの作業は小さく見えても、毎日積み重なることで大きな負担になるものです。そうした日常業務を効率化できる仕組みとして、実際に活用が広がってきているようです。

現場の指示管理をよりスムーズにする新機能

1周年のタイミングで追加された新機能のひとつが、360度空間上にピンを設置してタスクや情報を管理できる「ピン留め」機能です。
現場の気になる箇所に直接ピンを立て、その場所に必要な情報をまとめて残せる仕組みになっています。口頭や別ツールでやり取りしていた内容を、現場情報とあわせて一元管理しやすくなっているのが特徴です。

フェーズ管理
「未完了・対応中・完了」の3段階で進捗を管理。どの対応がどこまで進んでいるのかをひと目で把握しやすくなっています。

担当者・期日設定
対応する担当者と期限を設定できるため、「誰がいつまでに対応するのか」が明確になります。

カテゴリ分類
品質や安全など全8種類のタグで分類でき、あとから必要な情報を絞り込んで確認しやすくなっています。

重要度・優先度の可視化
全6色のマーカーで優先度を分けられるため、緊急性の高い対応も視覚的に把握しやすい設計です。

さらに、360度画像だけでは伝わりにくい細かな情報を補える点もポイントです。
手元のカメラで撮影した詳細写真や、関連する図面PDFをピンに紐づけて添付できるため、「この部分を詳しく見てほしい」「図面上ではこの箇所」といった補足情報もあわせて共有できます。

現場では、言葉だけでは伝わりにくい場面や、より細かな確認が必要になることも少なくありません。そうしたやり取りまでひとつの場所にまとめられることで、確認や対応の流れもスムーズになりそうです。

チャット・ファイル共有でやり取りも一元化

今回のアップデートでは、ピンごとにチャット機能も使えるようになっています。
「ここを確認してください」「対応しました」「追加でこの部分も見てください」といったやり取りを、その場所の情報とセットで残せる仕組みです。
別のチャットツールでやり取りすると、「どの場所の話だったか」があとからわかりづらくなることもありますが、現場情報と紐づいた形で残せることで確認もしやすくなります。
画像やPDFファイルの添付にも対応しているため、詳細な写真や図面データを共有したい場面でも活用しやすそうです。必要な情報を一か所にまとめて管理できることで、確認の手間も減らしやすくなります。

施工管理だけじゃない、さまざまな現場業務で活用

TwinMakerは施工管理だけに限らず、さまざまな業務で使いやすいサービスです。

活用シーンとしては、

  • 現地調査
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 設備工事の情報共有
  • 維持管理(FM)

などがあります。

建設現場では、多くの関係者が関わりながら業務が進んでいきます。情報共有の精度が、そのまま業務効率につながる場面も少なくありません。
現場をそのまま記録し、必要な場所に指示を残し、関係者と共有する。こうした一連の流れをひとつのツールで進められることで、使い方の幅も広がりそうです。

現場の情報共有をもっとスムーズにする選択肢として

建設現場の記録業務というと、どうしても“手間のかかる裏方作業”という印象を持つ人もいるかもしれません。ですが、その記録がスムーズになることで、確認や共有、その後の対応まで流れが変わってくるのは興味深いところです。
TwinMakerは、360度で現場を記録する仕組みに加え、今回のアップデートで指示管理やコミュニケーション機能も強化されました。記録して終わりではなく、その先のやり取りまで自然につながる設計になっているのが印象的です。
現場業務を少しでも効率よく進めたいと考えている方にとって、こうしたサービスは選択肢のひとつとして気になる存在になりそうです。

おすすめの記事