
あの「ものまね王者」が、この日は芸人ではなく"支援官"としてマイクを握りました。2026年4月24日、渋谷駅東口の地下広場に、警察庁特別防犯支援官を務めるコロッケさんの姿がありました。警視庁渋谷警察署が開催した特殊詐欺防止イベントへの特別ゲスト参加で、集まった人々に詐欺の現状と対策を伝えるためのものです。
特殊詐欺というと、どこか「自分には関係ない」と思ってしまいがちです。けれど今、その被害は高齢者だけでなく、SNSを日常的に使う若い世代にも広がっています。コロッケさんがイベントを通じて伝えたかったのは、そんな「他人事」が「自分事」になりつつある現実でした。身近な俳優や芸人が声を上げることで、難しく感じられがちな防犯の話が、ぐっと日常に近づいてくるように感じられます。
人が行き交う渋谷の地下で、防犯の輪が広がった
今回のイベントは、警視庁渋谷警察署が主催した特殊詐欺防止のための啓発活動の一環。場所は渋谷駅東口地下広場と、多くの人が行き交う場所を選んだことからも、より広く市民に向けてメッセージを届けたいという意図が伝わってきます。コロッケさんは「ストップ・オレオレ詐欺47〜家族の絆作戦〜」プロジェクトチーム(SOS47)を通じて、警察庁特別防犯支援官として全国各地で啓発活動を続けており、今回の渋谷もその一つです。
その「+」、見落としていませんか? 国際電話詐欺のリアル

イベントの冒頭、コロッケさんは最近の被害状況についてこう話しました。
「年々、特殊詐欺の手口は巧妙化してきており、被害額も増えてきているんです。今まではご高齢の世代を狙った特殊詐欺が多かったが、最近はSNSを通じて若い世代の被害も増えてきている。」
具体的な手口として紹介されたのが、警察官を装った電話詐欺。「あなたの口座がマネーロンダリングに使用されている疑いがある、今から警察が逮捕しに行く」などと言って相手を焦らせ、冷静な判断をさせないまま金銭を要求するというものです。焦りや恐怖心を巧みに利用する、心理的な揺さぶりが特徴的な手口といえます。
さらに、特殊詐欺に頻繁に使われるのが国際電話だと説明しながら、「電話番号の頭に+(プラス)がついている外国からの電話には特に注意をしてくださいね。」と注意喚起を行いました。
この「+」のサインが、海外からかかってきている電話を示すもの。普段あまり意識しないようなポイントですが、知っているだけで詐欺電話への警戒心がぐっと高まりそうです。
「デジポリス」って知ってますか? 警視庁公式の防犯アプリが頼もしい

イベントの後半では、すぐに実践できる対策として、スマートフォンのアプリ活用を強く勧めました。紹介されたのは、警視庁の防犯アプリ「デジポリス」と、警察庁が推奨する特殊詐欺対策アプリです。
「デジポリスをインストールして、国際電話の着信拒否設定をしてもらえば海外からの詐欺電話をブロックすることができます。また、デジポリスだけでなく警察庁が推奨している特殊詐欺対策アプリでも同様にブロックできるものがあるので是非こういったアプリをダウンロードして活用してもらいたいです。」
「怪しい電話に気をつけよう」と言われても、どう気をつければいいかがわからなければなかなか行動には移せません。アプリを入れるというシンプルかつ具体的なアクションを示してくれるのは、聞いた人が実際に動きやすくなる、とてもわかりやすいメッセージです。
<開催概要>
催事名:警視庁渋谷警察署 特殊詐欺防止イベント
実施日:令和8年4月24日(金)
実施会場:渋谷駅東口地下広場
出席者:警察庁 特別防犯支援官 コロッケ氏
「大丈夫」という油断が、いちばん危ない
イベントの最後、コロッケさんは会場を見渡しながら、こんな言葉で締めくくりました。「人と人との繋がりを大切にしている日本という国があります。でも、その中に、その日本の中の優しさにつけ込んでくる悪い奴がたくさんいるんです。本当に皆さんそこは注意して疑うべきところは疑いながら、詐欺には気を付けていきましょうね」と。
笑いを届けることを生業とする人が、真剣な表情で語る防犯のメッセージ。そのギャップが、かえってじんわりと心に響きます。「自分は大丈夫」という油断が、詐欺師にとって最大の隙になるのかもしれません。スマートフォンに「デジポリス」、そして「+がついた電話は要注意」——この二つを頭の片隅においておくだけで、今日から少し、詐欺に強くなれそうです。

