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若手起業家のリアルな物語が交差 ビジコン「C×E×O」第2回、仲村怜夏さんが優勝に輝く

新しいビジネスが生まれる瞬間には、必ず“個人の原体験”がある——そんなことを改めて感じさせる場となったのが、2026年4月11日に開催された「ビジネスコンテスト 第2回 C×E×O」です。会場となったTOKYO FMホールには、高校生から社会人まで幅広い世代の挑戦者が集まり、それぞれの経験や問題意識を起点とした事業アイデアを発表しました。
第2回となる今回は、昨年を上回る熱量と完成度の高さが印象的で、プレゼンの一つひとつに強い説得力がありました。単なる思いつきではなく、「なぜそれをやるのか」という背景が丁寧に語られることで、事業としてのリアリティがより際立っていたのも特徴です。若い世代の挑戦といえば勢いのイメージが先行しがちですが、この日はそれに加えて、実行力や構想の具体性も感じられる内容が多く、会場全体が熱気に包まれていました。

多彩なテーマで展開されたプレゼンテーション

登壇者たちが掲げたテーマは実に多彩です。屋内ドローンショーの企画やネオ体操教室、行動や人間力を評価するプラットフォーム、ギャル文化を起点にした地域活性化、理容室の再生と海外展開、外国籍人材ネットワークを活用した支援事業、フィットネスの継続を促すテクノロジー、さらには渋谷のJKカルチャー体験事業まで、それぞれのバックグラウンドを反映したアイデアが並びました。
どの発表にも共通していたのは、個人の体験やルーツに根ざしている点です。課題の発見から解決策の提示までが一本のストーリーとして語られており、聞き手にとってもイメージしやすい構成となっていました。

ストーリーと完成度が評価されたコンテスト

今回のコンテストでは、アイデアの新しさだけでなく、ストーリーと事業の結びつきが重視されていたことも印象的です。審査員からは、若い世代ならではの行動力や熱意に対する驚きの声が上がる一方で、プレゼンの完成度の高さにも注目が集まりました。
複数回の審査を経る形式という点も特徴的で、発表を重ねるごとにブラッシュアップされていく様子が見られたことも、このコンテストならではの見どころとなっていました。

優勝は“記憶を形に残す”仲村怜夏さん

優勝に輝いたのは、株式会社yomiyomiの仲村怜夏さんです。仲村さんは、「忘れたくない思い出を形に残す」というテーマに着目し、記憶に特化したプロダクトと体験づくりを提案しました。
写真や動画を残す機会が増えた一方で、それらが見返されないまま埋もれてしまうという課題に対し、思い出を呼び起こす“ステッカー型プロダクト”を展開。個人向けの販売にとどまらず、企業やIPとのコラボレーション、イベント体験への応用まで視野に入れた構想が評価されました。プロダクト単体だけでなく、ブランドとしての完成度の高さも印象に残る内容でした。

9年前の経験がつながった今回の優勝

仲村さんには、過去の経験に裏打ちされたストーリーもありました。17歳のとき、日本科学未来館で開催されたアイデアコンテストに出場したものの、グランプリには届かなかったといいます。その際に審査員を務めていた鈴木おさむ氏からかけられた「アイデアを考えることは大きな武器になる」という言葉を胸に、試行錯誤を重ねてきました。
そして今回、同氏が主催するコンテストで優勝を果たしたことについて、「9年前のコンテストは優勝出来なかったので、今回おさむさんの開いたビジネスコンテストで優勝できて嬉しいです。」と語っています。その歩みが感じられるエピソードでした。

審査員コメントに見る評価の軸

審査員からは、それぞれの視点で評価が語られました。

田中渓さん
「第一印象で決まることが多いが、このコンテストでは、審査が繰り返されることで、何度もチャンスがあるのが面白かったです。その中で、仲村さんは審査毎にずっと加点を積み重ねて行ったことが素晴らしかったです。」

片石貴展さん(株式会社yutori)
「起業家は華がめちゃくちゃ大切だと思っていいます。今回、華のある人がたくさんいました。自分のもっている物語と市場がどう合致するかが大事で、華とストーリーと完成度を見ると仲村さんが勝ちました。」

近本あゆみさん(株式会社ICHIGO)
「最後はグローバル、子供の未来のために頑張りたいという、自分だからこそ応援したい人に決めました。自分の時代では考えられないくらい若い優秀な人がいることを実感して、これからの未来が楽しみだと思いました。」

トラウデン直美さん
「実際に使ってみたいプロダクトがたくさんありました。プレゼンが何回もあることが難しかったと思いますが、どう構成するかが見どころでした。全出場者がこれから伸びていく人たちだと思うので楽しみです。」

司会コメント
陣さん(THE RAMPAGE)
「自分もエンタメに生きてる人間なので、ライブの演出など色々考えさせられましたし、いつか一緒に仕事してみたいなって思わせてもらいました。」

本イベント主催のスタートアップファクトリー代表 鈴木おさむさんコメント
「人生で起きた悲しいことも明るく伝えて、それを起業の理由や生きるパワーにしていることが素晴らしいなと思いました。そういう起業家が増えたらいいなと思ってこのイベントを続けていきたいと思っております。」

未来につながるプレゼンの数々

今回のコンテストを通して印象に残ったのは、どの発表にも“自分だからこそできる理由”が込められていたことです。アイデアの斬新さだけでなく、その背景にある経験や想いがしっかりと伝わることで、事業としての説得力が生まれていました。
まだこれから形になっていく段階のものも多い一方で、その芽がどのように成長していくのかを想像する楽しさも感じられる内容でした。今後、この舞台からどのような事業やプロダクトが生まれていくのか、引き続き注目していきたいところです。

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