ウミガメの漂着10年で78件 アクアワールド・大洗が展示で伝える身近な海の変化と保護活動
アクアワールド茨城県大洗水族館の「出会いの海の大水槽」を泳ぐアオウミガメ

海を泳ぐウミガメは、私たちにとって親しみのある生きものです。一方、その暮らしは海洋ゴミや地球温暖化、乱獲など、さまざまな環境問題の影響を受けています。遠い海の出来事に思えるかもしれませんが、茨城県の海にもアオウミガメをはじめとする仲間が生息しており、その変化は身近な場所でも確かに起きています。

生きものを間近で観察できる水族館は、そうした現状を知る入口にもなります。アクアワールド茨城県大洗水族館は、SDGs週間に合わせたパネル展示「海からのメッセージ~ウミガメのみらい~」を、2026年8月27日から9月30日まで開催します。ウミガメの保護活動を通して、身近な海の環境に目を向ける企画です。

開館当初から続くウミガメの調査と保護活動

保護活動

アクアワールド・大洗では、2002年の開館当初から、ウミガメの生態や生息状況を把握するための活動を続けてきました。海岸へ流れ着いた個体を調べるストランディング(漂着)調査をはじめ、上陸・産卵調査、保護や放流などに取り組んでいます。

上陸・産卵調査

茨城県内では、2016年から2025年までの10年間に計78件のウミガメの漂着が確認されました。漂着した個体を調べることは、その死因や健康状態だけでなく、海で何が起きているのかを知る手がかりにもなります。継続的な調査の積み重ねが、保護につながる大切な情報を支えています。

パネルから考えるウミガメを取り巻く環境

展示会場では、同館が実施してきた調査や保護活動の事例に加え、ウミガメが直面している環境上の課題がパネルで紹介されます。海洋ゴミや地球温暖化、乱獲など、一つの原因だけでは捉えられない問題を知ることができます。

開催場所は館内3階の「シャークダディズルーム」です。水槽で泳ぐウミガメの姿と、その背景にある海の現状をあわせて見ることで、生きものと環境のつながりをより具体的に感じられそうです。

開催期間は2026年8月27日から9月30日までです。水族館を楽しみながら学べるため、子どもから大人まで、それぞれの視点で海の未来を考える機会になります。

捨てられるものを作品に変えるクラフト体験

期間中の9月26日と27日には、同館で活動するボランティア「マンボラクラブ」による「マンボラフェスタ」も開催されます。

テーマは「捨てられてしまうものが自分だけの作品に大変身」。ボランティアスタッフと一緒に、不要になったものを再利用したクラフトを体験できます。参加費は無料で、会場は5階の「生きもの発見教室 レクチャールーム」です。資材には限りがあり、参加は先着順となります。

「知る」ことから近づく身近な海の未来

ウミガメの漂着や海洋ゴミと聞くと、問題の大きさに戸惑い、自分にできることは少ないと感じるかもしれません。しかし、まず現状を知り、普段の暮らしと海とのつながりに気づくことも、環境を考える小さな一歩です。

アクアワールド・大洗は、2024年にSDGs活動のタグライン「みらい トライ オオアライ」を策定しました。今回の展示にも、持続可能な未来に向け、できることを考えながら挑戦を続ける姿勢が表れています。泳いでいるウミガメを眺めるだけでなく、その命を支える海の状態にも目を向ける。展示やクラフト体験を通じて得た気づきは、ゴミを減らすことや物を大切に使うことなど、日常の身近な行動へつながるかもしれません。

おすすめの記事